2000年4月20日掲載
World Saxophone Quartet     Breath of Life
Nonesuch原盤                       1992年4月録音

 前作で初めて打楽器を導入したWSQが、2年振りのこの作品でそれを一歩進め ました。ピアノ・オルガンとヴォーカルを入れたのです。またベースには、マレイの作品には欠かせないフレッド・ホプキンスが参加しています。歌手にはフォンテラ・ベースが加 わっていますよ。この女性ヴォーカルは、1965年に“レスキュー・ミー”という大ヒット 飛ばした方で、この時点ではまだレスター・ボウイの奥さんでありました。前作の充実振りから、この編成ではどのような新しいWSQを聴かせてくれるのでしょうか。マレイがこの年の9月にオクテットで吹込んだ“ピカソ”が、ここで演奏されているが興味深いで すね。

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 目玉はフォンテラが歌ってい る“suffering with the blues”と“you don't know me”でしょう。ソウルフルでR&Bの王道をいくヴォーカルにリズムセクションが加わって、WSQの4人がパワフルに吹きま くっています。ただホーン4人が主役であるという意味が、薄れているという感は歪めないでしょう。その意味では続いて演奏される、マレイの意欲作“ピアカソ”のメイン・テーマ曲での、4人だけで演奏される絶妙のアンサンブルにホッとしますし、改めて彼らのリズムの取り方に驚きます。ハミエット作のボサ・ノヴァ調の“deb”で、気ままに演奏している 彼らの姿が、今後のカギになるのではないでしょうか。リズム陣と共に今後どのようにこのユニットが成長していくかが、楽しみです。