2000年12月9日掲載
Jim Rotondi           Excursions
Criss Cross原盤     1998年12月録音

 このレーベルから発売の1月5日に取上げたワン・フォー・オールというグループのメンバーが、この作品に勢揃いしています。ドラムだけが、ケニー・ワシントンに替わっておりますけどね。3管編成なのですが、前述の作品の際にはリズム陣は良いが、ホーンは突き抜ける元気さが無いと書きましたが、この作品でのホーン、特にリーダーのジム・ロトンディ(tp)はどんなものでしょう。

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 実質ワン・フォー・オールの作品なだけに、まとまりは良いですな。アップ・テンポを気持良く演奏しており、ホーンではボントロが目立ってますね。特にスティーブ・デイヴィス(tb)作のタイトル曲が、お薦め。で主役のロトンディ君。こりゃ食われているかなと思っていたら、この作品唯一のバラッド「what is there to say」で、決めてくれました。ドーハムっぽい雰囲気がある中で、注目は高音部。これを味わい深いととるか、頼りないと感じるかが分かれどころでしょうが、僕は前者でした。ピアノのヘイゼルタインはおとなしく終るのかなと思ったら、最後の曲で最高音部を効果的に使った印象深い演奏を聴かせてくれました。

 このレーベルでの注目ミュージュシャンを集めたこの手の作品は、これからもドンドン発表されていくのでしょう。いつかは、大傑作が誕生するのでは。