2000年1月8日掲載
Steve Grossman    with Michel Petrucciani
Dreyfus原盤         1998年1月録音

 1969年にマイルスのもとで初レコーディングを経験したテナーのスティーブ・グロスマンはその後、エルビン・ジョーンズのバンド等で活躍していました。しかしその後アルコール障害で一線を退いていましたが、1980年代中頃に復活しました。復活後は活発な活動を繰り広げていますね。この作品での注目点はやはり、ミッシェル・ペトルチアーニの参加でしょう。これがペトルチアーニのラスト・レコーディングという話しも聞きましたが、 亡くなる1年前にこれは吹込まれていますから、他にもあるのでしょうね。グロスマンとペトルチアーニの共演、誰しも楽しみな組合せでしょう。

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 強烈な歌心のぶつかり合いです。CDでは標準となる60分の演奏時間、そしてLPとは違い休憩タイムがない中では、 常に演奏と対峙していくのはキツイこと。この作品でも常に持続する緊張感で聴けたわけではありませんが、常に繰り広げられている緊張感溢れる演奏に圧倒された60分です。最初の2曲“Ebb Tide”“Inner Circle”で、その頂点を味わえます。前者ではロリンズ風、後者はコルトレーン風な演奏をしているグロスマンですが、猛烈に突き進む演奏だった1980年代に比較すると器が大きくなってきています。僕はグロスマンの作品は、積極的に聴いてきた方ではありませんが、これから過去の作品を買いたいと思います。とにかく未聴の方々、この作品は絶対に損をしませんよ。