2000年1月11日掲載
John Wright      Makin’ Out
Prestige原盤      1961年6月録音

 プレスティッジに6枚の作品を発表しているピアニストのジョン・ライトが、珍しくクァルテットで吹き込んだ作品です。ウェンデル・マーシャル(b)、ロイ・ブルックス(d)に加えて、テナー・サックスのエディ・ ウィリアムスが参加しています。この作品の焦点は、この無名なテナーのウィリアムスが、どんな演奏をしているかでしょう。ライトとウィリアムスの共作が2曲、ライト作が2曲、ウィリアムス作が2曲、そしてスタンダードが2曲という構成です。一般的には無名ながらプレスティッジで、 2年間に6枚もの吹き込みチャンスを与えられたライトのこの作品、ホーンとの絡みと、オリジナル曲の出来が楽しみです。

20000111

 ブルース・フィーリングを持ったガーランドという、ライトのイメージ通りの作品です。ウィアリムスのテナーは軽いもので、ライトのピアノとマッチしています。これが重厚なテナー奏者だったら、例えばガーランドとコルトレーンのようなメリハリ のある演奏になっていたのでしょうけど、ここでは同系のテナーをライトのピアノにぶつけることで、盛り上った演奏にしています。この二人の共作の“back in jersey”が、そんな二人を引き立てる、 ハード・バップの香りたっぷりの良い曲ですね。この好盤を更に引き立てているのが、重い演奏をす るベースとドラムでしょう。サイドに徹していますが、このベースとドラムが軽いものでしたら、記憶に残らない作品になったでしょうね。