1999年8月2日掲載
Sonny Rollins      worktime
Prestige原盤      1955年12月録音

 1953年頃から世に“ロリンズ”節という濃厚な黒人感情を発露させた吹き方を確立させていったロリンズが、誰もが最高傑作という“サキ・コロ”の半年前に吹き込んだのが、本作品です。これがロリンズの中で一番好きという人も多いのではないかなぁ。この時期に何度も共演しているドラムのマックス・ローチ、ベースにジョージ・モロ ウ、ピアノにレイ・ブライアントという文句の付けようがないメンツが参加していますよ。

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 ジョージ・モロウのベースが良いですね。彼はマックス・ローチと長年演っている人で、ローチ=ブラウンの時も、モロウが全体をしゃきっと締めるベースを聴かせてくれていましたよね。このアルバムでもそんな演奏を披露しています。ベースのバッキングが、アルバムの出来に重要な役割を果たすことを、改めて認識しました。さてロリンズの演奏ですが、彼の骨太のプレイを存分に楽しめる、最高の出来ですね。特に大作曲家の名曲二つ“ショウほど素敵な商売はない” と“イッツ・オールライト・ウィズ・ミー”での豪快な演奏が、このアルバムの人気の理由でしょうね。