1999年8月20日掲載
Willis Jackson      really groovin’
Prestige原盤      1961年1月録音

 テナー奏者ウィリス・ジャクソン、ソウルフル・テナーでお馴染みに方ですね。コテコテ系は全く熱心ではないと思っているのですけど、このレーベルのは結構持っています。今やっと調べ終わったのですけど、1959年から1964年にかけてジャクソンはプレスティッジに20枚の作品を残していますよ。日本で彼の作品が発売されることはほんとんどないですけど、本国では高い人気があったのですね、これだけ吹き込まれているのですから。そしてこの20枚の中で、オルガンと一緒に吹き込んだ正統コテコテ・ソウル吹き込みが18作、9割を占めてい ます。この作品は残り1割の吹き込みで、ピアノにジャズ人名辞典に載っていないジミー・ ニーレイという人が参加している、クァルテット作品です。何故か1曲だけリチャード・ワイ アンズが参加していますがね。R&B出身のジャクソン、中身は想像できますが、オルガンでないのでコテコテが少し弱まっているかな。

19990820

 音色は想像の通り。ジャクソンはイリノ イ・ジャケーやジーン・アモンズに影響を受けたそうですが、そんな音。これにはピアノが入ってはいるのですが、このニーレイって人は奥ゆかしく全く前面に出てこなく、まるでトリ オ作品のようです。そんな意味ではジャクソンのテナーを存分に楽しめるハズが、物足りなくてね。やっぱり、この手のテナーのはオルガンが必要なのでしょうか。“I remember clifford” のように、良いメロディの曲がもっとあれば、印象が変ったのでしょうけど、テナーの音色が虚しく残ってしまう作品です。