1999年7月13日掲載
Milton Sealey       Windows on the world
Prime Music原盤   1992年8月録音

 知らないことだらけのピアノ・トリオ作品です。先ずミルトン・シアリーという人、全く知りませんでした。レーベルのPrime Musicも初めて聞きます。以前オーネト・コールマン等の作品を出していたレーベルも確かPrimeという文字が入っていたけど、こことは関連ないでしょう。サブ・タイトルに World trade centre とあるのですが、世界貿易センターのことかな。これはそこが何かの記念に出した作品なのでしょうか。ベースはヤス・タケダという日本人でこれまた知りませんでした。曲目も作者がクレディットされていないのですが、恐らくはオリジナルなのでしょう。有名なのはドラムがルイ・ヘイズ、録音がヴァン・ゲルダーであることだけです。でこのアルバム、買って2ヶ月経つのですが今日CDプレーヤーに収めるのは5回目以上でしょうね。全く知らない結構気に入っているアルバムを今宵は楽しみにします。

19990713

 ミディアムからスロー・テンポまでの曲を、よくスィングするシアリーのピアノが心地よい風に乗って提供されています。曲の出来はスローの方が好きですね。“rittenhouse square”“mother nature”“the setting sen”が良い出来です。奥深さがピアノに出れば申し分ないのですが、それは贅沢な望みかな。このアルバムの素晴らしい出来は、彼を無名のままにするこを許さない水準だと思うのですが、残念ながらいまだかつて彼の名をメディアで見たことがありません。 レベルが高いアメリカでは、第一線に出られないでもがいているのかな。しかし、このガーランドタッチな小粋な演奏を一度でも耳にした人には、シアリーの名は決して忘れられないものになるでしょうね。