1999年4月4日掲載
Stanley Turrentine   that's where it's at
Blue Note原盤       1962年1月録音

 ブルー・ノートの人気ソウルテナー、スタンリー・タレンタインが、1月前にパシフィック・ジャズに吹き込まれたピアノのレス・マッキャンのリーダーアルバムでの息の合った競演が縁になり、今度はタレンタインのリーダーセッションにマッキャンが参加して作られたのが、本作品です。当然ながらソウルフルで楽しい演奏を期待します。

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 グルーヴィーなナンバー、スロー・ブルース、リフ・ナンバー、ゴスペル調の曲、バラード、マイナー・チューンと幅広いアルバム構成になっています。またスタンダードはなく、マッキャン作の4曲と、タレンタインとお兄さんのトミーのオリジナル各1曲で、どれも良い曲です。しかもどの曲でもタレンタインとマッキャンは息の合った演奏をしています。この二人の演奏感覚は似た雰囲気を持っており、テナーからピアノにソロが移っても違和感が全く感じられません。まだまだこの二人の演奏を聞きたい気にさせるくつろげるアルバムですが、二人の競演はこの録音の22年後に、新生ブルー・ノートでの“ストレート・アヘッド”まで待たねばなりませんでした。