1999年2月1日掲載
Albert Ayler     spiritual unity
ESP原盤        1964年7月録音

 オーネット・コールマンやセシル・テーラーが道を開きコルトレーンが昇華させていった音楽の流れをフリージャズの始まりとすれば、このテナー奏者アルバート・アイラーはフリージャズ 第二期黄金時代を築いた人です。その後70年代にはフリージャズは堕落して行くのですが。 本盤は彼の代表作であり、ゲイリー・ピーコックのベースとサニー・マレイのドラムで録音された、ピアノレス・ワンホーン・アルバムです。彼の震え上がるようなソロを存分に味わってみたいと思います。なお掲載したジャケットは赤紫色のもので、当時は手刷りで何色ものジャケットがあったそうです。

19990201

 ジャズ初心者が聴いたら、でたらめな演奏だと感じ、1曲聞き終えることなく止めてしまうだろうな。でもジャズを一通り聞いた人なら、3回聞けばこの世界に入れますよ。アイラーのテナーはフリーキーに吹いている部分が多いのですが、メロディーはどちらかと言えばデキシースタイルで吹いてます。これが本当に気持ち良く聞こえてくると、フリーキーな部分もだんだんと楽しめるようになりますよ。またベースとドラムは明確なリズムで演奏されている訳ではないが、全体のバランスを崩さず其々がソロを常にとっている感じです。少しでもこの演奏の良さを感じたら、虜のなるなは時間の問題です。歴史的な意味など考えずに、聞いてみたら良いのではないでしょうか。