1999年12月14日掲載
Bevan Manson        Mystic Mainstream
A-Records原盤     1997年7月録音

 今年の秋口発売ジャーナルでのユニオンの広告に、この作品が紹介されていました。早く買いたかったのですが品切れのようで、手にしたのは11月の下旬でした。ベーファン・マンソンというピアニストの作品で、John Lockwood(b)とGeorge Schuller(d)という方々が脇を固めています。曲はマンソンのオリジナルが4曲、マイルスの“all blues”、 コルトレーンの“giant steps”などが5曲、計9曲が収められてます。このA-RECORDS というレーベルは、オランダのChallenge Records の傘下のようです。ヨーロッパのマイナー・レーベルでのピアノ・トリオ、質の高さを期待しますよね。

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 マイルスのオール・ブルースは、それこそ耳たこの曲です。数々のヴァージョンを聴いてきましたが、ここでの演奏は今までに 聴いたこの曲のメロディがさほど印象に残らないです。マンソンの美しい風の流れにオール・ブルースの旋律が、包まれています。耳を凝らして聴けば、確かにオール・ブルースなのですが、マンソンの色に染めきられてます。同様のことがジャイアント・ステップスに、そしてバット・ビューティフルでも聴き取れます。ナイト・アンド・デイのように原曲をスト レートに演奏しているのもありますが、全てがマンソンの風の流れに覆われており、アルバム全体に強烈な、そして心地良い統一感があります。この作品は文句無しに素晴らしいので すが、心配なのが今後の作品。マンネリにならないことを祈りますがね。