J.J.Johnson
Live At Cafe Bohemia

録音日 1957年1月日(年はジャケ情報、月日は決めつけ

マイク ジャケ作品をつまみ食い

つまみ食い前

 J.J.Johnsonのカフェボヘミアでのこのライブ盤を「今日の1枚」で取り上げたのは、2006年6月3日のことでした。その際には気付かなかったのですが、ジャケと裏ジャケでの演奏写真はカフェボヘミアではなく、スウェーデンでの夏フェスでの様子です。何しろ裏ジャケに映る観客は万を超えていそうなものなのです。

 この夏フェスでのステージでJJさんのトロンボーンの音を狙っているマイクは、曲がったマイクスタンドにセットされた、恐らくはノイマンKM56Cでしょう。

 「しっとりと、異国情緒で、哀しさを内に秘めて」と私は13年前に感想を述べましたが、良くわからない表現なので、今回のつまみ食いでは少しは気の利いたことを書きたいと思います。

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つまみ食い後

 やはりJJのトロンボーンとジャスパーのサックス、この2管の色の重なり具合が興味のポイントになりますが、この上なく色気ある演奏を聴かせています。アップテンポよりスローの方に魅力を感じ、「In A Little Provincial Town」「I Shoul Care」と続く展開に聴き入りました。

 スローの方をよく感じた理由に、録音状態があるかもしれません。ラジオ局用ということなのか、レコード会社が使用したテープによるのか、ベールが何枚もかかった音質です。また2管の録音レベルが低いこともあり、それが余計にスロー・テンポの演奏をよく感じさせたのでしょう。

 このカルテットの演奏には、すこぶる纏まりの良さを感じます。ネット上でJ.J.Johnsonのディスコグラフィーを発見できないのですが、トミフラとエルヴィンのディスコを見ますと、このメンバーで1956年7月と1957年1月に何度も演奏を行っています。本CDには録音時期について「early 1957」と記されており、この時点では気心知れたメンバーになっていたのでしょう。この演奏はLPとCD合わせて2348枚が世の中に出回っています。これを持っている私はラッキー! などと言う程の作品ではありませんが、持っていて心地よくなれる作品であります。


(掲示板掲載 2019年6月21日から3日間)


参考資料「Sound Designer 2018年6月号 マイク読本」有限会社サウンド・デザイナー発行(文中ではマイク資料と表記)