Enrico Pieranunzi
Live In Paris

録音日 2001年4月22日(ジャケ記載データ)

Body And Soul が収録されている作品をつまみ食い

つまみ食い前

 ジャケに移る古代の像が印象的です。具体的な場所を探りたく、早速GoogleMap。右奥の塔がエッフェル塔だとすると、更にその奥に運河があるので、この像のおよその位置までは簡単にたどり着きました。すぐにこの古代像も見つけられるだろうと考えたのですが、甘い考えでした。エミール・ゾラ通りを挟んで広範囲を見たのですが、この像は見つからず。20分ほどGoogleMapでパリ中心地見学を楽しんで、本題へ。

 このピエラヌンツィ2枚組CDを「今日の1枚」で取り上げたのは、2006年5月7日のことでした。その際の感想は「聴かせ方が実に上手く、そこに感心」と、シンプルなもの。これは何を書いていいのか困って、このようなコメントになったのかと思っています。

 ジャケでいうと右奥に位置するであろうジャズ・ライブ・レストランでの演奏を、「Body And Soul」を中心に聴いてみます。

bs08

つまみ食い後

 舞台となった Le Duc Des Lombardsは、今でも盛況なお店のようです。ライブの時間は1日2セットで、19:30からと21:30からです。1時間の演奏を1日2回ということでしょう。2枚合わせて2時間ほどの本作品は、3日間の演奏からの収録となっています。3日間合計6時間の演奏から2時間を収録したことになり、いかに充実したライブだったかが、このことから推測できます。

 一般的にピエラヌンツィさんの演奏を耽美と評されますが、この耽美の意味が私には実に難しいものです。美しさが最大限に活かされた演奏ならば、実に美しい演奏との表現で良いわけなのですが、耽美という表現を使うとなると西欧思想に基づいているようで、私にはなかなか使うのが難しい言葉です。

 ピエラヌンツィさんの演奏は美しさとスリルを併せ持ったもので、そこに絶妙なバランスが訪れた時に、彼の真骨頂が発揮されるのでしょう。しかしなが、なかなかそんな演奏ができるものではありません。それが三分の一の確率で演奏できたとは、驚きです。

 さて「Body And Soul」ですが、愛や恋に疲れ果てた女性が最後には、微笑んで過去を振り返るようになった姿が浮かんでくるような演奏でした。

(掲示板掲載 2017年12月18日から3日間)