Stan Getz - Chet Baker
Stan Meets Chet

録音日 1958年2月16日(ジャケ記載データ)
Autumn In New York が収録されている作品をつまみ食い

つまみ食い前
 「ゲッツとベイカーは仲が悪い」と、この作品を「今日の1枚」で2000年6月22日に取上げた際に書いたのですが、それが本当かと思いネットで調べ直しました。

 この二人は1953年から1954年にかけて何度か共演しており、その後は1958年の本作品と1983年ということになります。ありそうで殆ど無い二人の共演ですが、ネットでは確かに「仲が悪いらしい」とのコメントがあるのですが、どれも私と同様のソースからのようです。事の真意は分かりませんが、この作品で「Autumn In New York」を演奏しております。それはバラッド・メドレーの中でのことで、Autumn In New York〜Embraceable You〜What's New?の3曲であります。

 17年前の「今日の1枚」ではこのバラッドに触れませんでしたが、今日こうして聴くこのメドレーは如何なるものでしょうか。

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つまみ食い後
 7年前にバラッド・メドレーに触れなかった理由は簡単なもの。「Autumn In New York」ではベイカーが主役であり、ゲッツは登場せず。そのベイカーは酔っているような演奏で、大恐慌に包まれたNYのような雰囲気。後半で少し盛り上げたのは時すでに遅し。続く「Embraceable You」はピアノが主役。そして「What's New?」でゲッツが登場するが、蚊が鳴くような演奏でズッコケ。こんなメドレーなのですが、ピアノのジュディ・クリスチャンが橋渡し役で存在感を示していることで、何となく聴いてしまうものになっています。これはこの作品全体を通しても言えております。

 この作品での聴き所は「Jordu」でしょう。感情が趣くままのゲッツの演奏が決まっています。そしてこの曲にはベイカーが入っていないことが、このレコーディングの様子を物語っているようです。

(掲示板掲載 2017年2月15日から3日間)