Antoine Herve
Cornerstone

録音日 1999年6月1日(年月はジャケ記載データ、日は決めつけ)
(2度目のつまみ食いなので、本来は翌日の2日にすべきでした。この日の新聞は2度掲載になります)
Like Someone In Love が収録されている作品をつまみ食い

つまみ食い前

 2001年9月27日に「今日の1枚」でこの作品を取り上げた際には、主役のピアノ奏者の名前をアントワーヌとしましたが、アントワンが正解のようです。さてその際には、サマータイムでの演奏を「重厚な思い込みを入れずに、やたらとサッパリしたブルースの雰囲気」と評しました。アントワンさん独特の個性を、私は感じていたようであります。

 今では58歳となったアントワンさんですが、未だに活発な活動を行なっているいるようです。特に2012年からは、「La leçon de jazz」とのシリーズ名で6作品を発表しています。各作品で巨星ジャズマンを取り上げていて、それはジャレット,ショーター,ピーターソン,ブルーベック,エヴァンス,そしてモンクであります。この辺りの方々が、アントワンさんのアイドルなのでしょうかね。

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つまみ食い後

 録音が素晴らしいです。ピアノの響きを全て拾い上げている録音です。ドラミもシンバルの音がみずみずしいものです。残念なのはベースの響きがもっこりしていることです。パリとルーアンの中間にある落ち着いた街で録音されたようですが、クレジットには録音技師の名前は載っておりません。この録音だけでこのピアノ・トリオは輝いております。

 「Like Someone In Love」では、恋する自分に驚いた少女が走り出しているかにような演奏です。作品中では特筆する内容ではありませんが、繋ぎ的存在の演奏と言えるでしょう。「My Foolish Heart」と「Summertime」での演奏の輝きは素敵なものであり、アントワンさんが弾くピアノのリズムを楽しみました。

(掲示板掲載 2017年10月18日から3日間)

後日談
実はこれが本作品2度目のつまみ食いで、最初はSummertime。2度のつまみ食いで、こんなに感想が違うとは、自分でも驚きです。