Jessica Williams
This Side Up

録音日 2001年8月16日ジャケ記載データ

イス ジャケ作品をつまみ食い

つまみ食い前

 1948年生まれの女性ピアニストのジェシカ・ウィリアムスさんは、Wikipediaでみる限りでも1976年から2014年にかけて30枚以上のリーダー作品を残しているお方です。そんな中での私が持ったジェシカさんとの接点は、2000年代に入ってすぐに彼女が MaxJazzに残した3枚の作品でした。

 本作はその1枚目であり、「今日の1枚」では2002年8月17日に掲載しました。そこではピアノの打楽器としての特徴をいかした演奏に感心したことを、私は述べておりました。

 当時53歳のジェシカさんがソファーに身を沈めているジャケットですが、そこには貫禄と自信を感じさせます。

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つまみ食い後

 私は今回のつまみ食いで、改めてジェシカさんに惚れ直した思いです。

 重厚なブルースや軽快なブルース、涙の場面に相応しい曲や祝いの場に相応しい曲、様々なタイプの曲を聴かせてくれる作品です。このような場合にアルバム単位では印象が散漫になることが多くあります。しかしここではジェシカさんの豊富な活動とその経験に基づいた演奏スタイルが終始貫かれ、またレイ・ドラモンドとヴィクター・ルイスという巧者とのトリオでの広がりの豊かさ、そして奥深さという流れが一貫しております。Wikipediaによればジェシカさんは、ピアニストよりもマイルスやコルトレーンに影響を受けたとのことです。自分の世界でアルバム一枚を染め上げる思いと力は、そこからきているのかもしれません。

 18年前には「これからの作品には大きく注目していきます」と書きながら、他に2枚を買っただけで終わった私ですので、大きなことは言えません。でも今回のつまみ食いを契機に、本作を含めた三枚を、聴き続けて行きたいです。


(掲示板掲載 2020年9月18日から3日間)


参考資料「Brutus Casa特別編集 超・椅子大全!」東京:株式会社マガジンハウス発行、2005年(文中ではイス資料と表記)