Antonio Farao
Black Inside

録音日 1998年4月23日(ジャケ記載データ)
Just In Time が収録されている作品をつまみ食い

つまみ食い前

 この「今日の1枚からつまみ食い」コーナーも、今回で133回目となります。このコーナーの企画自体は13年前以上から温めてきたもので、思い立った理由の一つは、「今日の1枚」で取り上げた作品を振り返ってみましょうとのものでした。「今日の1枚」はその時に聴いた感想を書くこととしているため、振り返って聴けば印象が変わる作品もあるのではとの考えからでした。
 確かに印象が変わった作品が、幾つもありました。その理由の一つに、オーディオ環境の違いがあるのかもしれません。私は実家にオーディオを残しながら、各地を渡り歩き、途中まではすぐに処分しても良いような総額30万円ちょっとの安いオーディオ・システムを使用しておりました。そんな中で2002年冒頭に今のB&Wとマークレヴィンソンのオーディオ・システム、額にしたらそれまでの10倍ほどのものを購入しました。
 「今日の1枚」で取り上げてきた作品は2200枚を超えてますが、この更新したオーディオ・システムで聴きながら感想を書いた「今日の1枚」は739枚目以降からとなります。
 このオーディオの違いは、大きなものがありました。「今日の1枚からつまみ食い」の中の30枚ほどは、オーディオ更新前に「今日の1枚」で取り上げたものでした。このことが感想が変わった理由の一つなのかと考えております。

 本題に話を戻しますと、今回の主役の本作品は1999年6月9日に「今日の1枚」で取り上げました。従ってオーディオ更新以前の環境となります。
 その際にこのファラオさんの演奏について、「
テーマなりアドリブのメロディを弾いた次の瞬間には、スケールを早弾きするような感じで、ピロピロピローーーーーーっとなってしまいます」と、感想を述べました。感覚的な表現になっていますが、「ピロピロピローーーーーー」が気に入らなかったのでしょう。

 この感想を読んでみて、これは今聴けば、18年前より遥かに良いオーディオで聴けば、違う感想になるのかなと思ってます。

pjt08

つまみ食い後

 アイラ・コールマンのベースとジェフ・ワッツのドラムとのピアノの相性が抜群の作品です。特にアドリブでは流れるようなファラオさんのピアノに、香辛料のような役割でベースとドラムが絡んでいき、抜群の演奏に仕上がっております。
 「Just In Time」での陽気な3人の演奏では、極上のイタリアンサラダのごとく、色彩豊かな野菜の上に個性あるドレッシングが加わり、白ワインが進むようなものでした。

(掲示板掲載 2017年11月18日から3日間)