D.D.Jackson
Suite For New York

録音日 2002年12月16日(ジャケ記載データ)

ソラ ジャケ作品をつまみ食い

つまみ食い前

 数年前にBSで「海の上のピアニスト」という映画を見ました。豪華客船で生まれ、一度も土を踏むことなく死んでいったピアニストのお話です。その豪華客船は大西洋を往復するヴァージニアン号なのですが、NYに近づくと必ず誰かが「自由の女神だ!」と叫ぶとの話がありました。

 恐らくはこのジャケのようなシーンなのでしょう。霧の向こうに自由の女神が現れてくると、何十日という船旅の疲れも忘れて、叫んでしまうのでしょう。

 このジャケ写の撮影地点はどこかと思い、グーグル地図で調べたところ、リバティ州立公園の北部でした。とするとジャケ写は、自由の女神が通り過ぎた先からの光景となりますが、「自由の女神だ!」と叫びたくなる雰囲気は十分ある霧のNYです。

 さて霧ですがソラ資料よれば、いくつも呼び方があるようです。発生原因によっては、放射霧、混合霧、蒸気霧、滑昇霧、移流霧、前線霧と呼ぶそうです。霧粒では、湿霧、氷霧、霧氷霧と分類されるとのことです。また発生する場所によっては、盆地霧、都市霧、海霧、山霧、谷霧、そして川霧と呼ぶそうです。更には文学の世界では、朝霧、夕霧、狭霧、霧の帳、霧の雫などが使われているとあります。ジャケ写は、蒸気霧で湿霧、そして都市霧で朝霧なのでしょうか。

 カナダのオタワで生まれアメリカを中心に陸で活躍しているピアニスト、D.D.ジャクソンの大編成作品の本作を「今日の1枚」で取り上げたのは、2003年10月17日のことでした。今日はジャケの雰囲気を、本作の演奏から味わいたいと思います。

1jsky12

つまみ食い後

 街で過ごしている、街の時間の流れを感じる一枚です。これは客船での長い船旅でも同様のことでしょう。今回のつまみ食いで、本当に久しぶりに聴いた本作、なかなかの聴きごたえでした。贅沢を言えば、危機に直面したような展開があれば、さらに良かったです。

 映画「海の上のピアニスト」のピアニストは超絶テクニックの方、本作のジャクソンさんは絵を描くようなピアニスト、そんな思いで聴き終えました。


(掲示板掲載 2020年6月15日から3日間)



参考資料 高橋健司著、空の名前(改訂版)、東京:角川書店、2004年
(文中ではソラ資料と表記)