Muller - Kramis - Baschnagel
Nautilus Ⅱ

録音日 2002年8月8日ジャケ記載データ

イス ジャケ作品をつまみ食い

つまみ食い前

 夕暮れの室内に円形の食卓と四脚の背もたれ椅子、ベランダには籐の椅子、まさにイスジャケなのですが、物足りなすぎます。人なり動物なり絵なり、アクセントになるものが何もないジャケットです。

 Gregor Muller(p)、Herbert Kramis(b)、そしてPius Baschmagel(d)の三人組の作品を「今日の1枚」で取り上げたのは、2005年2月2日のことでした。そこで私は「ジャケット同様に何を主張したいかを、掴めないままで終わった作品」と酷評しました。

 今回のつまみ食いでは、何か良いところを見つけたいです。

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つまみ食い後

 この作品はベースを中心に聴くべきと、今回のつまみ食いで感じました。メロディはベースが担当している、そう思って聴き進めると、ピアノにも魅力を感じてきます。

 ボサノバの名曲「How Insensitive」での緊張感、これはなかなかの聴き所でした。

 私は本作がトリオの共同名義作品であることの意味を、15年経ってようやく理解しました。


(掲示板掲載 2020年7月21日から3日間)


参考資料「Brutus Casa特別編集 超・椅子大全!」東京:株式会社マガジンハウス発行、2005年(文中ではイス資料と表記)