Kucich/Ibanez/Barroso
Y despues…Que

録音日 2001年6月3日(ジャケ記載データ)

イス ジャケ作品をつまみ食い

つまみ食い前

 これは脚ジャケ愛好家を狙ってのジャケという事で、間違い無いでしょう。路上カフェには軽量の背もたれ椅子がありますので、イス ジャケでもあります。中身は男性だけのピアノ・トリオです。

 ピアノのヘルマン・クシチは、本作以外にも数作品残していられるようです。そして本作は「マニア垂涎のスパニッシュ・ピアノ・トリオの名盤」との評価があるようです。

 「今日の1枚」で本作を2006年5月17日に掲載した際には、「このピアニストは、自分の思いを表現できる基礎テクニックが不足している」と、失礼極まりない感想を私は書いてしまいました。いくら本当にその時に感じた事であっても、もう少し大人の表現をしていればと反省しています。

 今日はどのように感じたとしても、この「名盤」に対して大人の感想を書きます。

1jcha19

つまみ食い後

 内なる響きを行き届いた感情表現で聴かせる作品、こんな評もある事でしょう。

 私には内向き過ぎて、ここぞとの思いの表現が感じ取れません。当然ながらピアノ技術は相当に高い方なのでしょう。13年前の私の「自分の思いを表現できる基礎テクニックが不足している」とは、彼のジャズマンとしての資質が私には向き合えないものとのことです。

 相性の悪いミュージシャンは、いらっしゃるものです。私の聴く姿勢が追いついていないだけです。ジャケだけ有難く受け取った作品です。


(掲示板掲載 2019年9月21日から3日間)


参考資料「Brutus Casa特別編集 超・椅子大全!」東京:株式会社マガジンハウス発行、2005年(文中ではイス資料と表記)