Claude Williamson
mulls the Mulligan scene

録音日 1958年1月3日(年はジャケ記載データ、月日は決め打ち

イス ジャケ作品をつまみ食い

つまみ食い前

 この作品を買ったのは、2004年のことだと思います。香港の部屋でネット通販のサイトを見て本作をクリックしたのですが、その時の気持ちは覚えていません。ピアノ椅子に座り演奏のポーズを作っているウィリアムソンの姿を、反転させて左右に並べているこんな安直なジャケを、よくも私は買ったものです。

 内容はギター入りカルテットでマリガンの曲を演奏したものです。これを「今日の1枚」で取り上げたのは2005年3月8日のことで、そこでは「マリガンが参加していると勘違いして購入」と書きましたが、それでもこのジャケなら敬遠したのではと思っています。また本作への感想は、どうでもよい作品、というものでした。その中で「Apple Core」の曲の良さを褒めていますが、今回のつまみ食いでは、何とか演奏の良いところを述べたいものです。

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つまみ食い後

 15年前、私は何をこの作品に怒っていたのであろうか。重い演奏を聴いた後に本盤に接すれば、穏やかな気持ちになる演奏が詰まった作品です。ギターとピアノがいきる「Westwood Walk」、なめらかな「A Ballad」、好調なカルテットの「Simbah」、軽いブルースで決めての「Blue at The Roots」と、ウィリアムソンさんのピアノが穏やかな風を運んでくれます。

 マリガンの曲作りのうまさ、そしてピアノレスのマリガンが作った曲をピアノで楽しむ、そんなプロデューサーの気持ちを、ようやく感じられました。


(掲示板掲載 2020年9月12日から3日間)


参考資料「Brutus Casa特別編集 超・椅子大全!」東京:株式会社マガジンハウス発行、2005年(文中ではイス資料と表記)