Pharoah Sanders
live…

録音日 1981年4月12日(ジャケ記載データ)

マイク ジャケ作品をつまみ食い

つまみ食い前

 ジャケでファラオさんが叫んでいる姿、それを捉えているマイクはダイナミックマイクでしょう。ダイナミックマイクは形が似ていて、何なのかは分かりませんでした。問題はこのマイクは「叫び用」に設置されているのか、サックス用に設置されているかです。ファラオさんは中腰に思え、「叫び用」ならばもう少し高いいちにセットするでしょう。しかしながらサックス用ならば、少し高すぎです。この疑問は裏ジャケを見て解決。ファラオさんが吹いているサックスには、ちょうど良い高さにコンデンサーマイクと思われるものがありました。したがっておもてジャケのマイクは「叫び用」でした。

 2003年11月24日に本作を「今日の1枚」で取り上げた際には、トレーン云々でファラオさんを語っていました。今回のつまみ食いでは、素直にファラオさんの音楽を、そして叫びを、聴いてみます。

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つまみ食い後

 2000人ほど収容のホールでのコンサートなのでしょう。1981年のこのライブ、観衆は熱狂を求めていたのでしょう。ファラオさんはその要求にも見事に応えた演奏をしています。「You've Got To Have Freedom」はまさにそんな曲で、演奏の他にも短いテーマを熱狂したり、メンバー紹介にと、セットされたマイクは大活躍でした。

 コルトレーンの前にコルトレーン風の演奏者は無し、コルトレーンの後にはコルトレーン風の者ばかり。これはどのジャンルでも革新的な人の前後に言えることでしょう。特にファラオさんの場合は、コルトレーンの啓示を真正面から受けた方。

 そんな時期から四半世紀が経ったこのライブ、ファラオさんはそんな精神とエンターテイメントが融合した存在でした。

(掲示板掲載 2019年1月18日から3日間)


参考資料「Sound Designer 2018年6月号 マイク読本」有限会社サウンド・デザイナー発行(文中ではマイク資料と表記)