James Carter
Jurassic Classics

録音日 1994年4月16日(ジャケ記載データ)

マイク ジャケ作品をつまみ食い

つまみ食い前

 写真のお手本のように見事に決まった構図のジャケ写です。撮影したのはJimmy Katzで、業界の方々には名の通った写真家の方です。そしてそこに映るマイクですが、ノイマンU87に似ていますが、ネット部分の長さが違っています。マイク資料で調べていきますと、シュアKSM44にも似ていますが、同じとは言えないものです。

 本作を「今日の1枚」で取り上げたのは、2006年4月22日のことでした。その際に25歳のジェイムス・カーターさんの演奏に「若さの勢いというのは気持ちが良いもので、ここでのカーターは思うがままの快走振りをみせております」と感想を述べた上で、ネット上で本作が取り上げられていないことを伝えました。そんなことを書いた時期から、ネットの世界では大手ネットサービス会社が提供するブログが広がり始め、ジャズに関するブログも多く誕生しました。今ネットで検索すれば、この作品を取り上げているブログにいくつも出会います。皆さんやはり、若き時代のカーターさんの勢いに感心しています。

 それから14年、時の速さを感じながら、今日は本作をつまみ食いしてみます。

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つまみ食い後

 選りすぐりのスタンダードを、ドライブ感、スリル感満点に突っ走り演奏するカーターさんの姿は、今でも十分に楽しめるものです。自分のレコーディングが出来る喜びが、ストレートに伝わってくる、25歳のカーターさんの演奏です。

 今回のつまみ食いで気に入ったのは、終盤の3曲でした。アルトを持って哀愁満ちた演奏の「アスク・ミー・ナウ」、テナーでフリーキーに「イクィノックス」、同じくテナーで豪快にハード・バップを「サンデュ」で決めていくカーターさんでした。


(掲示板掲載 2019年12月21日から3日間)


参考資料「Sound Designer 2018年6月号 マイク読本」有限会社サウンド・デザイナー発行(文中ではマイク資料と表記)