Hal McKusick Plays ・
Betty St. Claire Sings

録音日 1955年1月1日(年はジャケ記載データ、月日は決め打ち)

マイク ジャケ作品をつまみ食い

つまみ食い前

 この作品を、アルファベット順に並べてあるCD収納箱から引っ張り出しのに、苦労しました。歌手ベティ・セント・クレアの作品なのでヴォーカル箱を探しましたが、見当たらず。ではハル・マクシックで収納したかと思い、アルト・サックス箱とクラリネット箱を探しましたが、見当たらず。結局、ハル・マクシックでヴォーカル箱に入れておりました。

 お馬鹿話はここまでとして、このハルさんとベティさんのコ・リーダー作品を「今日の1枚」で取り上げたのは、2005年10月14日でした。その際にベティさんのことを「飲み屋さんで経験豊かな女性から、甘ったるい声で口説かれているような雰囲気。何か気持ち悪いのですが、何か居心地が良く、しかし酔いが醒めたらやはり気持ち悪く」と、絶対に褒めていない感想を書きました。今回のつまみ食いでは、出来れば褒めた感想を書きたいと思うのと同時に、ハルさんの演奏にもコメントしたいと思います。

 ジャケに映るマイクは、スタジオでのヴォーカル録りの定番RCA77だと思います。

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つまみ食い後

 さばけた闊達な女性が、優しく人生の受け止め方を語っているような歌心でした。パーカーでお馴染みの「Out Of Nowhere」、ロリンズで知られている「What Is There To Say」でのベティさんの歌で、そんなことを強く感じました。私の中でこの14年間でベティさんは、「飲み屋さんで経験豊かな女性」から「さばけた闊達な女性」に変わったと申しますか、私が少しは成長したということなのでしょう。

 さてハルさんなのですが、活躍の場面は少なし。その中で「Out Of Nowhere」でのクラリネットは、甘い語り口でなかなかのものでした。


(掲示板掲載 2019年3月12日から3日間)


参考資料「Sound Designer 2018年6月号 マイク読本」有限会社サウンド・デザイナー発行(文中ではマイク資料と表記)