19650507-02

My Favorite Things
(R.Rodgers - O.Hammerstein) 
(22分44秒)




【この曲、この演奏】

 1965年5月のハーフノートで、この曲が演奏されました。

 収録されている内容ですが、終盤で演奏の音量が小さくなりアナウンスが入り、終わっていきます。放送時間が決まっているラジオ番組ゆえのことでしょう。

 その演奏ですが、コルトレーンは冒頭部をテナーサックスで吹き、ソプラノに持ち替えてテーマを吹いていきます。5分半経ったところでマッコイの13分のソロとなり、再びソプラノのコルトレーンの登場となります。収録自体は4分ありますが、アナウンスが入るまでの3分少々が、聴ける演奏です。

 数々の名演を残してきたこの曲ですが、この日の演奏が特別の熱演とは言い難いものがあります。エルヴィンの演奏を軸に聴いてみると、コルトレーンやマッコイと絶妙な関係を感じ取れる場面もあれば、対立していると感じる場面もあります。この1965年のこのカルテットの行方、そしてこの曲の演奏が1966年にかけて大きく変化していくことを考え合わせて聴くと、なかなか興味深い1965年5月のハーフノートだと言えます。




【エピソード、ノルウェーのジャーナリスト、ランディ・ハルティンの著書から その5】

 コルトレーンがオスロ滞在中に「インプレッションズ」とジョニー・ハートマンと共演したアルバムがリリースされた。「ハートマンの歌のことは訊かないでくれ」とコルトレーンは言う。「私には説明できないから。彼はバリトンだ。時には音楽の説明は不要なんだよ」


 「メオトロポールで演奏できなかったのは残念でした。あの時なら、セシル・テイラーの時のように、一週間丸ごと、あなたのプレイを聴きに行けたんですけど」

 「私としては、ここに一週間居たいくらいなんだ。こういうツアー中は、どこかの街で人と触れ合うことができたと感じることはまずない。ホテルを転々としながら、コンサート会場を渡り歩くだけだ。ファンの声がまるで聞こえてこないんだよ」


ランディ・ハルティン著「Born Under The Sign Of Jazz(ジャズの星の下に生まれて)」(London: Sanctuary, 1998, 2000)' 157-162ページより (資料04)



【ついでにフォト】

tp12001-121

2012年 ペナン、マレーシア 


(2023年3月14日掲載)