19560507-01

Weeja (Elmo Hope)
(11分12秒)


【この曲、この演奏】

 エルモ・ホープ作のこの曲のコルトレーンの演奏は、本演奏だけです。

 この曲は資料11にある通り、よくあるパーカーの「コンファメーション」のコード進行の則ったリフ・ナンバーです。メンバーのぶつかり合いを楽しむ演奏であり、その主役はテナー・サックスの二人です。足回りの心地よい車に乗っているよいうなモブレー、ひたすらスピードを追求した車の運転を楽しんでいるコルトレーン、そんな二人の演奏です。その二人の刺激あいにホープも加わって行く展開は、楽しいものでした。


【エピソード、エルモ・ホープ】

 資料06によれば、コルトレーンとホープの共演は、1948年にフィラデルフィアでありました。当時のコルトレーンはジミー・ヒースのバンドで演奏していました。一方ホープは自分のバンド、恐らくはピアノ・トリオにジョニー・グリフィンを加えて楽旅でフィラデルフィアを訪れ、そこでヒースのバンドと共演となったとのことです。このことは資料06の著者が1992年11月9日にグリフィンにインタビューして、明らかになったことでした。

 ホープはNY生まれですので、コルトレーンとの関わりは少なかったと思ってしまうのですが、資料05にはホープ夫人への興味深いインタビューが掲載されています。

 「主人(エルモ・ホープ)とコルトレーンは、ブラジルの作曲家エイトル・ヴィラ=ロボスの組曲「バキアナス・ブラジレイアスの研究をしていたわ」

 これはコルトレーンが1958年に録音したバイーヤに関連しての記述であり、詳細はこの曲を取り上げる際に書くが、コルトレーンとホープは共にブラジル音楽の研究をしていたのであった。


【ついでにフォト】

19560507-01

2005年、香港


(2019年1月6日掲載)