19621122-05

Mr. P.C. (John Coltrane)  (19分6秒)



【この曲、この演奏】

 コルトレーンの1962年欧州ツアーでの定番演奏曲が続きます。

 コルトレーンのテナーでいつものようにテーマを演奏してすぐに、マッコイの4分半ほどのソロとなります。実にスリリングなピアノですが、残念なのはドラムスの収録レベルが小さいことです。この4分半は、濃厚なトリオ演奏であったであろうと思います。

 テナーとドラムスの掛け合いを挟んで、エルヴィンの3分半のソロとなり、これはしっかりと録音されています。複雑にリズムが絡み合う、神がかりとも感じる演奏です。

 このようにリズム陣絶好調の中で満を持してコルトレーンが登場します。突っ走る姿が清々しい演奏です。4分あたりからピアノがオフになりますが、そこでのコルトレーンの演奏の変化も、興味深く聴けるところです。

 ソロが始まって7分半ほどのところでテーマが短く入り、テナーとドラムスの掛け合いの後に、再び1分ほどの神がかりエルヴィン・ソロとなります。

 演奏はコルトレーンへと移り、クロージングへとなっていきます。



【エピソード、J. クルーゼとM.デロームとのインタヴュー、その24】

質問者
 オーケストラとのセッションには魅力を感じますか?


コルトレーン
 いや。少なくとも今のところは。スタジオ・セッションを一つ終えたばかりだし、年内にまだ二つ残っている。普段なら、レコーディングを終えるとすぐ、次に何をするか考え出すんだが、今は特に次のレコードのことは考えていない。


 1962年11月17日のジャン・クルーゼとミシェル・デロームによるコルトレーンへのインタヴュー。ジャズの手帳誌、一九六三年第八号。(資料04)


 (マハール注:終えたばかりのレコーディングとはアルバム「バラッズ」制作の2度目のセッションのこと。これ以降この1962年にはレコーディングはない)



【ついでにフォト】

tp09032-077

2009年 みなとみらい、横浜  


(2022年10月13日掲載)