19620217-01

The Inchworm (Frank Loesser)
(6分54秒)



【この曲、この演奏】

 1962年4月11日に行われたアルバム「(インパルス!の)コルトレーン」向けレコーディングで収録され、その年の8月に発売されました。そして1962年のコルトレーン欧州ツアーでの定番演奏曲となっていきました。しかしドルフィーとの演奏となると、1961年のヴィレッジ・ヴァンガードでも欧州ツアーでも演奏されておらず、聴ける限りではこの1962年2月17日のバードランドだけとなります。

 演奏の前に司会の"Symphony" Sid Torinによるメンバー紹介などが1分弱あります。

 そして演奏ですが、10日のよりもクリアな感じですが、テープ走行が不安定なため、特に冒頭部で聴きにくいものとなっています。

 コルトレーンがソプラノでテーマを吹き、それにドルフィーがバスクラで寄り添い1分ほど演奏し、ドルフィーの1分半強のバスクラでのソロとなります。その後にコルトレーンがソプラノでソロを行い、最後まで3分ほど演奏していきます。

 ドルフィーのソロはこの曲の持つ楽しい雰囲気をしっかりと表現したものですが、コルトレーンのソロは方向性に迷いが感じるものになっています。コルトレーンのソロの途中でドルフィーとテーマを演奏していく展開があります。この二人の絡みが前面に出る場面があったなら、聴きごたえある演奏となったことでしょう。



【エピソード、この日の演奏】

 ドルフィーが参加してのコルトレーン・クインテットでの、1962年8日から21日のバードランド出演の模様は、WADO 1280-AMでラジオ放送されていた。その中の10日(9日との説あり)と17日(16日との説あり)の模様は、エアチェックされたものが知られた存在となっていた。1983年発刊の資料09にも記載されている。

 一般のコルトレーン・ファンがそれらを聴けるようになったのは、10日のものが1970年代にブートレグで発売されてからであった。それから長い年月がたった2009年に、次のブートレグCDが発売され、17日の演奏も一般のコルトレーン・ファンが聴けるようになったのであった。

Gambit Records 69325 (John Coltrane Quintet with Eric Dolphy / The Complete 1962 Birdland Broadcasts, released 2009)



【ついでにフォト】

tp06057-022

2006年 ペナン、マレーシア 


(2023年1月22日掲載)