19580625-01

Wild Man Blues
(L. Armsyrong - J. Morton) 
(3分20秒)



【この曲、この演奏】

 この「ジャズの巨人ルイ・アームストロングとジェリー・ロール・モートンの共作になる曲」(資料09)のコルトレーンの演奏記録は、本セッションだけです。

 アルバム制作のために用意された四日間の初日、その最初の演奏から、ミシェル・ルグランのセンスが光る、映画で見る芸術の街の粋が伝わってくるアレンジです。ソロは、コスタ、コルトレーン、そしてマイルスと続きます。あまり演奏の自由度がない雰囲気なのかなとも思いますが、この三人はそれぞれの特色を楽器の響きであらわしています。マイルスが主導しながら後テーマとなり、演奏が終わっていきます。



【エピソード、本セッションについて】

 資料09によれば、次の通りである。

 映画音楽、ポピュラー歌伴等で知られるミシェル・ルグランはジャズに対しても深い知識を持っている。たまたま新婚旅行で渡米したルグランが、一級のジャズメンを集めてアレンジの腕を見せたのがこの日のセッション。ジャズのエッセンスを失わずにフランス人ならではの洒落た感覚を漂わすあたりはなかなかのものだ。オール・スター・セッションとはいうものの、マイルスの左右が大きく、音楽全体の中心もマイルスに収斂されている。

 新婚旅行云々の記載については、私の持っている国内版CDの日本語解説にもあるので、事実なのであろう。26歳ミシェル・ルグランの、大物ぶりが分かる話だ。



【ついでにフォト】

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2013年、みなとみらい 


(2022年5月20日掲載)