19571200-28

El Toro Valiente (take 3)
(Salaam - Gambel)   
(2分44秒)


【この曲、この演奏】

 「The Kiss of No Return」と同様にこの曲の作者はチーフィー・サラームとチャールズ・ギャンベルで、こちらはラテン・ナンバーです。

 コルトレーンのこの曲も演奏記録は、このセッションだけです。

 賑やかに楽しくをテーマにしたこの演奏は、全体をアルトで参加しているサヒブ・ハシブが色付けし、ブレキーが豪快なソロで決めております。コルトレーンのソロはありません。

 この演奏はシングルでも発売されました

 この本テイクの前に、演奏としては1回ありますので、それについても触れておきます。


-26.27   El Toro Valiente (take 1&2)(3分 + 12秒)

 6秒のスタジオ内トークと音出しの後に、演奏が2分54秒行われます。その演奏ですが、賑やかさを強調しているのは感じられますが、焦点が定まっていない内容です。これへ改良として、サヒブ・ハシブが全体をリードしていく内容に、本テイクでは変更したのでしょう。

 なおこの演奏の後に12秒のスタジオ内トークと音出しがありますが、これは資料07でテイク2としているものだと思います。


【エピソード、サニー・マレイとコルトレーンの共演】

 先に掲載した「コルトレーン語録」で、サニー・マレイが「ジョンとは一九六四年に3度共演していた」と語っている。資料07によれば、次の(記録ではなく)情報がある。

 先ずこのインタヴューの中でサニー・マレイが語っているのは、コルトレーンが黄金カルテットで1964年1月17日から30日までハーフノートへ出演していたものであろう。資料07によれば、この会場には、ドルフィー、シェップ、アイラー、ハバード、ファラオ、ジョン・チカイ、そしてサニー・マレイも来たとのことだ。客席に居ただけなのか、楽屋に顔を見せたのか、それとも一緒に演奏したかは不明である。しかしサニー・マレイに関しては、ここで先に掲載したような出来事があったのであろう。

 もう一つの情報は、1963年12月31日にNYのリンカン・センターで行われた、ライブである。新年を祝う催しなので、1964年と考えても不思議ではない。ここにはコルトレーン、ブレイキー、そしてセシル・テイラーが、自分のバンドを従えて出演していた。コルトレーンは黄金カルテットにドルフィー、そしてセシル・テイラーのバンドのドラムスはサニー・マレイであった。ここで何らかの”共演”があったとしても、不思議ではない。

 以上は資料07からの情報だが、先のインタヴューでマレイが語った「3度の共演」とは、この二つの中で何かが3回あったとのことかと想像する。



【ついでにフォト】

tp09031-027

2009年、みなとみらい


(2022年3月24日掲載)