19571200-16

Late Date (Melda Liston)  (3分38秒)



【この曲、この演奏】

 これはトロンボーン奏者として参加しているメルダ・リストン作の曲で、アレンジもメルバ・リストンによるものです。

 この曲のコルトレーンの演奏記録は、本セッションだけです。

 ブギウギ風で始まり不思議な世界へ突入していく展開は、メルダ・リストンのアレンジの手腕が光っているものです。サックスとトロンボーン陣が不思議な展開を予想させるリフでリズミカルにし、そこにトランペットが色付けしていくと言うののが、全体の流れです。原盤解説によればこのトランペット奏者はドナルド・バードとのことですが、このアレンジを理解した演奏になっています。

 コルトレーンが目立つ場面はありませんでした。



【エピソード、メンバーとの共演歴、その2】

 アルト・サックスで参加している Bill Graham、そしてバリトン・サックスで参加している Bill Slapin の両名とコルトレーンの共演は、本セッションだけである。またこのお二人の経歴については、新・世界ジャズ人名辞典には掲載されれいないし、ネット上で検索してもヒットするものはない。

 このベツレヘムでのセッションでこの二人はソロを取る機会も無かったので、その他大勢のミュージシャンで終わった方なのであろう。

 その意味では1955年にマイルス・バンドに入る前までのコルトレーンは、まさに「その他大勢」のひとりであった。



【ついでにフォト】

tp09029-044

2009年、みなとみらい


(2022年3月22日掲載)