19571115-06

Soul Junction (Red Garland)  (15分30秒)



【この曲、この演奏】

 この日録音されたのは10曲で、リーダーであるガーランドのオリジナルは、本曲を入れて2つあります。資料09にはこの曲について、次のように書いてあります。

 「スタジオに居合わせたボブ・ワインストックの注文に応じてガーランドが、フロイド・スミス(g)のフロイズ・ギター・ブルースの一節を題材にして書いた曲」とのことである。

 コルトレーンとガーランドのこの曲の演奏記録は、本セッションだけです。(資料06, 08)

 さて演奏ですが、ガーランド流のブルース感覚を味わえるものです。もともと曲らしきものがないので、ワインストックご要望のコード進行に沿って、ガーランドがブルースを表現していきます。資料09には「シングル・トーンとブロック・コードを巧みに使い分けるそのプレイにかかると、泥臭いブルースがモダンな洗練されたジャズ・ブルースに変わる」とあります。この洗練されたブルースが、ガーランドのブルース演奏の真髄と言えます。

 長尺演奏の初めから半分以上がガーランドの独断場ですが、コルトレーンもバードもガーランドの世界を壊さぬように頑張っております。



【エピソード、宗教・哲学・精神など】

 ガレスピーのビッグバンドの楽旅のバスの中で、コルトレーンはユセフ・ラティーフから手渡せれた東洋関係の何冊かのジョンを読んでいた。ユセフ自身は正統派回教徒で、東洋の哲学や音楽、宗教の影響を強く受けていた。コルトレーンと知り合ったユセフは、コルトレーンの内部に秘められた宗教と哲学への並々ならぬ関心を察知していたのだった。

 またビル・バロンはヨガに関する本をコルトレーンに渡していた。

 ガレスピーもコルトレーンと同様に好奇心に満ちた人間だったので、精神の運動における神秘の世界に関心を抱いていた。二人はこのような話題では話し込むことが多かった。(資料01)



【ついでにフォト】

tp07030-041

2007年、みなとみらい


(2019年10月6日掲載)