19570626-12

Crepuscule with Nellie (take 6)
(Thelonious Monk)    
(4分37秒)



【この曲、この演奏】

 前日とこの日と、何度も演奏してきたこの曲ですが、この演奏が最後となります。

 オリン・キープニュースが推すテイク4&5と比べればこのテイク6は、モンクが丁寧なタッチでピアノを弾いており、そこに寄り添うブレイキーのブラシも効果的になっており、またブラスの演奏を少くしている。このことから私には、この曲の持つイメージが強く表現されていると感じた。モンクがこのテイク6を推すのに、私も同じ思いである。



【エピソード、最後のクレパスキュール・ウィズ・ネリー】

 資料18と資料19には、この6回目の演奏となった理由が明記されていない。テイク4とテイク5を繋ぎ合わせたものにモンクが良しとしなかったからと考えるべきと思うが、ハッキリとは書かれていない。プロデューサーのオリン・キープニュースは「これは(take 4&5)、最初に発売されたやや慎重なファイナル・バージョン(take 6)とも、十分比肩し得るもの」と書いている。

 さてこの曲名について、面白い話が資料18と19に書かれている。「Crepescule with Nellie(クレぺスキュール・ウィズ・ネリー」との誤表記との扱いが、リヴァーサイドの中で長きに渡り行われてきたとのことである。「pu(パ)」とすべきところを「pe(ぺ)」と最初の発売で間違えたことが、長年に渡り訂正されなかっらとのことだ。この点について私が確認できることでは、1988年発売のボックスでは「pu(パ)」となっているが、アルバム「モンクス・ミュージック」のCD盤については今でも「pe(ぺ)」との表記もある。



【ついでにフォト】

tp10010-067

2010年 タイプーサム、ペナン、マレーシア


(2022年1月24日掲載)