19570413-04

All of You (Cole Porter) (2分25秒)



【この曲、この演奏】

 コール・ポーター作の有名曲ですが、コルトレーン入りマイルス・クインテットでは1956年9月10日のコロンビアでのセッションで演奏され、アルバム「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」に収録されています。またマイルスはライブでも度々この曲を演奏しており、いくつかのものはブートレグで聴くことができます。この1957年4月のカフェ・ボヘミアでの演奏も、そんな一つです。

 生きる厳しさが伝わってくるマイルスのトランペットがテーマ奏でて、語りかけるアドリブとなり、素晴らしい2分となります。続いてコルトレーンの登場となるのですが、17秒で収録音レベルが下がりアナウンスが入り、収録が終わっています。

誠に残念なのですが、このような編集でのラジオ放送があったからこそ、1956年のライブ演奏が聴けるわけです。



【エピソード、ダウンビート誌1958年10月16日号 その7】

 もはや、コルトレーンの影響を否定することはできない。ホレス・シルヴァー・グループのジュニア・クックのプレイにも、以前はコールマン・ホーキンスにドン・バイアスとラッキー・トンプソンをまぶしたようなテナー・マンだったベニー・ゴルソンのプレイにも、コルトレーンのプレイの影がちらつく。

 マイルスのセプテットでコルトレーンの同僚だったキャノンボール・アダレイは、最近こう語った。「コルトレーンとソニー・ロリンズはそれぞれのやり方で、私たちに新たな音楽の手ほどきをしてみせる。思うに、あのモンクが認めたことで、ミュージシャンたちは勇気が湧いたんだろう。独創的なアイディアを追求することを恐れなくなったんだ」


ダウンビート誌、一九五八年十月十六日号、16-17ページより(資料04)



【ついでにフォト】

tp05060-050

2005年 香港 


(2023年5月11日掲載)