19570406-05

Smokestack (Johnny Griffin) (10分10秒)



【この曲、この演奏】

 (工場・汽船の)巨大煙突との意味のこの曲名は、グリフィンの存在感をよく表しています。資料08によれば作者であるグリフィンのこの曲の演奏記録は本セッションだけであり、コルトレーンも同様です。(資料07)

 この曲は4回演奏されました。その中の2回目をほぼ本テイクとし、後テーマをテイク3と入れ替え、マスター・テイクとしたとのことです。

 元気溌剌のハード・バップ演奏は、ドラム一音の後にケリーの快調ピアノがあり、続くテーマもケリーの良さが光っているものです。ソロはグリフィンからスタートし、ブロウイング・セッションのお見事な火付け役ぶりです。続くモーガンはグリフィンの熱を引き継ぐトランペットを演奏であり、モブレーのテナー・ソロとなります。その後のコルトレーンのソロは抑え気味な演奏から入り、勢いを増していくとのスタイルです。ソロはケリーとチェンバースと続き、グリフィンとブレイキーの4小節交換を挟んで、後テーマとなっていきます。

 本セッションを収録したアルバム「A Blowing Session」は何度もCD発売されています。その中には、この曲のテイク4以外を全て収録したものがあるようです。



【エピソード、本セッション】

 ジョニー・グリフィンのアルバム「ア・ブロウイング・セッション」制作のための本セッションについて、資料09より紹介する。

 グリフィン以下、コルトレーン、モブレーとテナーを3人も揃え、更に当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったリー・モーガンをもフロントに据えたのだから、正に火の出るようなブローイング・セッションとなるのは必至。アート・ブレイキーのドラムがまた全員を煽りたて、ハード・バップ全盛のこの時代にあってもめったに見られないほどの熱い名盤が出来上がったのだった。



【ついでにフォト】

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2005年 香港 赤柱国際龍舟錦標賽2005


(2022年1月13日掲載)