19670222-02

Leo (John Coltrane)    (10分54秒)



【この曲、この演奏】

 これは1966年からのコルトレーンのライブでの定番曲ですが、ラシッド・アリとのデュオ・セッションでも取り上げられました。ただし1974年発売のアルバム「インターステラー・スペース」には収録されず、恐らくは1979年発売のアルバム「ジュピター・ヴァリエーション」に収録され、この演奏は世に出ました。

 さて演奏ですが、早口まくしたて型コルトレーンの典型のテーマであり演奏となっています。吹きまくりコルトレーンと叩き続けアリの演奏は冒頭から7分ほど続き、アリ一人での演奏を挟んで2分以上の二人での交互演奏となり、再びテーマを演奏して、この壮絶な演奏が終わります。

 前年7月の日本、11月のテンプル大学での演奏を思い浮かべれば、この曲については前年からコルトレーンとアリのためにあったように思えます。それがこの2月22日のセッションで花開いたと言えるのでしょう。



【エピソード、発売】

 曲数としては6曲を演奏したこのデュオ・セッションの、各曲の発売履歴は次の通りである。


1974年発売 ASD 9277 (Intersteller Space)
「Mars」「Venus」「Jupiter」「Saturn」

 録音から、そしてコルトレーンの死後から7年経って、このセッションがアルバム化され世に出た。6曲の中から4曲が選ばれ、それぞれ惑星の名前をつけての、アルバム化であった。


1979年発売(多分) IA 9360 (Jupiter Variation
「Leo」「Jupiter Variation」

 残りの2曲も収録して、おそらくは1979年にアルバム化された。後のアルバム「インターステラー・スペース」のCD化の際しては、この2曲も追加されていた。

 このセッションに関しては、これでその全てが発売されたと長らく思われていた。資料06にある記載も、そうなっていた。


2000年発売(かな?) (US)314 543 415-2 (Intersteller Space)
「Jupiter Variation」(ブレイクダウン)、「Jupiter Variation」(フォルススタート)、他にスタジオ内での会話が4つ

 アメリカでCD「インターステラー・スペース」2000年版が発売された際に、このセッションに関する認識が覆った。収録曲数は6つであることには変わりないが、「Jupiter Variation」の別テイクが二つ収録され、アメリカ発売されたのだ。共に途中で終わった演奏であるが、貴重なものである。

 このことについて私は、だいぶ後になってから資料07で知った。そして私は Amazon や ディスク・ユニオンでの通販サイトなどを通じて、このアメリカCD2000年版を入手すべく努力してきた。それは今でも続いている。



【ついでにフォト】

tp11002-159

2011年 タイプーサム、ペナン、マレーシア


(2021年10月24日掲載)