19651123-04

Consequences (John Coltrane)
                      (9分13秒)



【この曲、この演奏】

 9月2日のカルテットでの演奏ではこの曲は、激しさと戦慄の演奏となりました。

 この6人編成の演奏でも激しさの世界ですが、前半はファラオのテナーの猛突進となっています。そのファラオの5分間の後にコルトレーンが出てくるかと思いきや、短く軽く吹くコルトレーンの後に、ピアノを中心にしての演奏に移り、不思議な森に入ったようなリズム陣4人の演奏となります。この曲というかパートではコルトレーンは脇に自らを置き、ファラオと新リズム陣の演奏をみつめ、そしてある手応えを感じていたのでしょう。

 やがてピアノの独奏となり、静かな世界の中で次の曲に移っていきます。



【エピソード、ラシード・アリについて  その1】

 ラシード・アリはエルヴィン・ジョーンズより上背があり、やせてもいた。だがアリは、コルトレーンのあの輝く眼に似た、大きな眼をもっていた。彼は一九六三年にニューヨークへ出てきた。それまで、フィラデルフィアのグラノフ音楽学校で、ハーモニーと対位法を学んでいた。正式のトレーニングなんてことはあまり気にぜず、彼は打楽器を独学でマスターした。アリがトレーンと最初に演奏したのは一九六四年秋のある夜であった。ジョーンズが遅刻した「バードランド」のステージである。アリの方からトレーンに頼んだのだ。といってもこれがはじめてではなく、この数ヶ月で三度目の願いだった。この時、ついに願いはききいられた。バンドは「グリーンスリーブス」を演奏した。そしてありは次の曲の途中まで、つまりエルヴィンがやってきて交代しなければならなくなるまで一緒にやった。ラシードはその時のことをこう語っている。「トレーンと一緒にやれて幸せだった。やっとぼくはチャンスを掴んだのです。トレーンがぼくのサウンドを聴いてくれたのです。しかも彼と一緒に演奏したものを。トレーンのソプラノの力強かったことをよく覚えています。それはまさしく支配者の音でした」

(資料01より)



【ついでにフォト】

tp15016-039

2015年 みなとみらい


(2021年9月12日掲載)