19650902-04

Joy (John Coltrane)    (8分53秒)



【この曲、この演奏】

 コルトレーン作のこの曲ですが、20日後の9月22日にも演奏されました。資料07によれば、この曲の演奏記録はこの2回だけです。

 またこの曲はこの日に録音された5曲の中で、11月23日に再演されなかった唯一のものです。

 短いフレーズを繰り返してテンポの速さを追求する曲、演奏は、この時期のコルトレーンの定番になっており、ここでの演奏もそのものです。

 初めの2分半弱でのコルトレーンのテナーの堰を切ったようなフレーズの数々、それに呼応していくマッコイのピアノも印象的です。そしてピアノの2分強との展開となり、謎めいた好調マッコイの演奏が楽しめます。この曲の白眉はここからで、コルトレーンの二度目のソロとなりますが、フリーキーで3分以上吹きまくっています。そして以前ならばオフとなるピアノも、フリーキーなコルトレーンとの応酬で光った存在です。

 ベースとドラムに見せ場を持たせて、演奏は終わっていきます。



【エピソード、インパルス!でのこの時期の活動】

 ジョン・コルトレーンは三ヶ月に一枚の割合でインパルスからアルバムを発売していた。彼はインパルスの了承なしに、いつでもヴァン・ゲルダーのスタジオでレコーディングすることができた。エリントンとの共演以降、彼のレコーディングは手際良く進行するようになったが、いまや彼はレコードの制作にあたって無限の自由を手にしたかのように見えた。「アセンション」が発売されたあと、彼はボブ・シールに電話し、シールが使ったテイクは自分が選んだテイクではないと抗議した。驚くべきことに、シールは正しいテイクを収録した「アセンション」の改訂版を新たに発売した。

 それから数ヶ月経った一九六五年九月、コルトレーンは組曲「メディテイション」を吹き込んだ。これは「クレッセント」に収録されたバラードを思わせる、静謐な美しさに彩られた組曲だったが、明らかにパターンは凝縮され、メロディは進化していた。彼はこれを発売せず、十一月末にラシッド・アリのドラムス、ファラオ・サンダースのテナー・サックスを加えて録り直し、それをアルバム「メディテイション」として発売した。(資料01、03、13から引用)



【ついでにフォト】

tp05037-047

2005年 香港 赤柱国際龍舟錦標賽2005


(2021年8月17日掲載)