19631008-03

Afro Blue (Mongo Santamaria)(10分48秒)



【この曲、この演奏】

 ジョン・コルトレーンの壮絶な演奏でも知られるこの曲は、もともとはアフリカに古くから伝わるトラッド・ナンバーだが、モンゴ・サンタマリアがいち早くアレンジして取り上げたことから、モンゴのオリジナルとクレジットされているものが多い。(資料14、ここでもモンゴ作とクレジットする)

 この1963年秋のアメリカやヨーロッパのライブで何度も演奏され、1965年までコルトレーンのライブに登場してきたこの曲です。この1963年3月7日のハートマンとのセッションでも演奏されていますが、それは未発表のままです。

 この日の演奏でいえば、最初の「The Promise」同様にアフリカ色の激しいものですが、ここではその激しさが一層強まっています。

 先ずはコルトレーンのソプラノでテーマですが、ピアノを効果的に使っています。続くのは4分弱のマッコイのソロ、と言うよりはピアノ・トリオ一丸となっての、戦慄の演奏です。ライブにおける黄金カルテットの、一つのピークがここにあるように感じます。

 続くコルトレーンのソプラノでのソロは、神がかりコルトレーンというべきものでしょう。4分ほどからは後テーマとの様相ですが、コルトレーンは6分近く吹きまくり、リズム陣も引き続きの快演です。

 世にであるレコードやCDのクレジットの中に、この曲をコルトレーン作としているものが散見しますが、それも何か納得できる気がします。



【エピソード、バーバラ・ガードナーの記事 その14】

 (1961年から or 1962年から)二年前、コルトレーンは、”プレイするのが恐ろしい”ものを見つけたと言った。”世間はそれを許してはくれないだろう”と。

 「そんなこと言ったかな。何が言いたかったんだろう」と今になって彼は言う。「たぶん、それはもう実験済みだと思う。やりたいと思っていたことは全てやったからね。いくつか気に入ったものは今も研究中だ。それ以外のものは取りのけてある」

(資料04より)



【ついでにフォト】

tp06005-045

2006年 香港

(2021年5月12日掲載)