19630610-07

Mr. P.C. (John Coltrane)  (8分46秒)



【この曲、この演奏】

 1962年欧州ツアーでの熱演の数々が印象深いこの曲ですが、1963年に入ってもコルトレーンのライブでの重要曲でありました。

 あくまで収録が残っている限りですが、この1963年6月10日のショウボートでは、バンドとしては最後の演奏曲となります。

 さて演奏ですが、コルトレーンの迫力テナーサックスがテーマを演奏し、すぐにコルトレーンのアドリブとなり、5分以上続きます。マッコイのピアノはオフであり(或いは収録の関係で聴こえないのか)、コルトレーンとヘインズの対決の凄まじさに圧倒されます。

 マッコイの2分半のピアノ・ソロがあり、テナーとドラムスの掛け合いを経て、コルトレーンがテーマを吹いて、この曲の演奏が終わっていきます。



【エピソード、ノルウェーのジャーナリスト、ランディ・ハルティンの著書から その1】

 一九六三年にジョン・コルトレーンに初めて会った時、私は深い感銘を受けた。その名前にも音楽にも、畏敬の念を覚えた。コルトレーンは改革者だ。そのテナー・サックスのプレイは衝撃的としか言いようがない。同時に、ルイ・アーム・ストロング、チャーリー・パーカー、レスター・ヤングといった偉大な先人たちと同様に、ジャズの歴史に消すことのできない足跡を残してきた開拓者でもある。

 (一九六三年)十月二三日、オスロは期待と興奮に満ちあふれていた。コルトレーンが率いるカルテット、ピアノのマッコイ・タイナー、ドラムのエルヴィン・ジョーンズ、ベースのジミー・ギャリソンが、やって来たのだ。コンサート会場はニョルドハーレン。ミュージシャンたちはコンティネンタル・ホテルに宿をとった。


ランディ・ハルティン著「Born Under The Sign Of Jazz(ジャズの星の下に生まれて)」(London: Sanctuary, 1998, 2000)' 157-162ページより (資料04)



【ついでにフォト】

tp05033-092

2005年 香港 


(2023年2月20日掲載)