19630306-05

Vilia (take5) (Franz Lehar)  (4分37秒)



【この曲、この演奏】

 テナーサックスでの3テイクに満足できなかったのでしょう、テイク4からソプラノに持ち替え、このテイクとなりました。

 さて演奏ですが、伸びやかに楽しさの中で、コルトレーンをはじめとするメンバーが気持ちの良い演奏を繰り広げています。テナーでのテイク3と聴き比べると、ソプラノに楽器を持ち替えたことで、ここまで大きく演奏内容が良くなるのかと、驚きで聴き入ります。

 このテイクは1965年にオムニバス・アルバムで世に出ました。(右欄には1985年に発売されたコルトレーン名義のアルバムを載せた)



【エピソード、本セッション その2 演奏曲目について】

 この「今日のコルトレーン」において、このセッションでの録音リストについては、2008年発行の資料07を基本としている。ここではこれ以前の資料における、録音リストの変遷について述べてみる。


資料09 1983年発行
-01   Vilia
-02   Untitled Original
-03   Untitled Original
-04   Nature Boy
-05   Untitled Original
-06   Untitled Original
-07   Untitled Original
-08   Slow Blues


資料06 1995年発行

-01   Vilia
-02   Untitled Original
-03   Nature Boy
-04   Untitled Original
-05   Untitled Original
-06   Untitled Original
-07   Slow Blues

 

 この二つはほぼ同じと言え、この情報が長らく信じられていたようだ。

 さて「Untitled Original」だが、これは曲としては4つである。2018年に音源が世に出た際には、2つの曲についてはマトリックス番号を曲名に付し、1曲は「Impressions」と分かり、残りの1曲についてはこの後のコルトレーンの記録から曲名を付けている。上記の資料06との対比だと次のようになる。


-02   Untitled Original → Untitled Original 11383
-04   Untitled Original   → Impressions
-05   Untitled Original   → Untitled Original 11386
-06   Untitled Original   → One Up, One Down


 この「今日のコルトレーン」でのリストでは、これに倣ってマトリックス番号を曲名に付している。


 さて何故に2008年発行の資料07でこのセッションの詳細が判明したのは、以前から触れている2005年のカーンフェルド調査による。



【ついでにフォト】

tp05029-123

2005年 香港島 トラム

(2021年3月27日掲載)