19590115-02

The Late Late Blues (Milt Jackson)
(9分36秒)



【この曲、この演奏】

 ミルト・ジャクソン作によるこのブルース・ナンバーを、本セッションの2曲目に持ってきました。コルトレーンの演奏記録は本セッションだけ(資料6)ですが、作者ミルトの演奏記録も本セッションだけ(資料8)です。恐らくは即興で用意した曲なのでしょい。

 この曲名ですが、何故に「late」を重ねているのか、何か深い意味があるのかと考えましたが、「最新の収穫遅れのブルース」との意味かと思いながら、それでは意味不明だと自嘲した次第です。

 さて演奏ですが、こちらは明快であり、ドライブ感が爽快なブルージーな演奏です。1曲目の演奏のぎこちなさを反省したのか、攻めに転じたミルト・ジャクソンがいます。それを受けて立つコルトレーンは、高音から低音までジェットコースターのように飛ばすような演奏です。これがミルトを始め、他のメンバーとも相性が良い展開を聴かせています。

 プロデューサーの意図とは違う方向に進み始めたこのセッションの、面白味が感じられる演奏です。



【エピソード、共演メンバー】

 本セッション参加メンバーとのコルトレーンの共演歴は、資料06によれば次の通りである。

 ミルト・ジャクソンとの共演歴は9回となっているが、本セッション以外では1950年から1951年にかけてのガレスピーのもとでの共演であり、その中の幾つかの演奏は世に出ている。またこの中には、ミルト・ジャクソンがピアノも弾いたセッションが二つある。

 ハンク・ジョーンズとコニー・ケイとの共演歴は、両者共に本セッションだけとなる。

 因みにポール・チェンバースとの共演歴は90回ほどとなる。



【ついでにフォト】

tp05022-055

2005年、香港


(2020年3月8日掲載)