19561130-03

Gnid (Tadd Dameron)    (5分9秒)


【この曲、この演奏】

 この曲名はどのような意味なのか、web上で本曲に触れている日本語ページでは困っている方々ばかりです。そして私もその一人に加わりました。
 字引を開きますと、「gneiss(片麻岩)」の次が「gnome(地の精)」であり、この単語はありません。ではg抜きではと思い調べますと、「nicotine(ニコチン)」の次が「niece(めい)」でありました。
 意味だけではなく発音にも困りますが、gは黙字とするべきでしょうから、「ニッド」なのでしょう、各資料もそうなっています。

 愛くるしく可憐しいメロディのこの曲では、ダメロンの誠実なピアノに、コルトレーンの女心に振り回されている男のテナー・サックスが加わり、楽しい5分間を過ごせる演奏です。未だに女心がわからない私には、何か突き刺さるものがこの演奏にあります。


【エピソード、歌に聴き入っている時のコルトレーン、教会】

歌に聴き惚れている時のコルトレーンは、物静かであった。とりわけ彼の内部を強くゆさぶるのは最低音部であり、力強い音色は彼の靴の底まで響き渡り彼の魂をいつまでも感動に包み込んでいた。

そんなコルトレーンは、南部の教会で盛んであった音楽と宗教が美しく混ざり合った場において活動的な伝達者として活躍していた。彼が所属していたのは聖スティーブン派メトロポリタン・アフリカン・メソジスト聖公会シオン教会であった。そこでスティール牧師と出会うのである。(資料01)


【ついでにフォト】

19561130-03

2005年、香港


(2019年3月11日掲載)