19560929-02

Stablemates  (Benny Golson) (3分50秒)



【この曲、この演奏】

 コルトレーンと古い付き合いのゴルソン作のこの曲は、コルトレーンのプレスティッジ初録音となる1955年11月16日の、アルバム「(小川の)マイルス」でのセッションで演奏されました。その後には1956年3月2日の「チャンバース・ミュージック」でのセッションで演奏されています。そしてコルトレーン最後のこの曲の演奏記録となるのが、このカフェ・ボヘミアでした。

 さて演奏ですが、サラッと流しての演奏のように感じました。マイルスとコルトレーンでテーマを演奏しての始まりですが、フィリーのドラムスがハイペースに持っていこううすつかの演奏が印象的です。続いてマイルスとコルトレーンへソロが続き、後テーマとなって終わっていきます。



【エピソード、ダウンビート誌1958年10月16日号 その4】

 生活が苦しくなってくると、コルトレーンは安定した働き口を探した。そして一九五二年、アール・ボスティックのグループで職にありつく。ボスティックは彼のあこがれのサックス奏者だったから、そこで演奏する音楽が厭しいリズム・アンド・ブルースでも気にならなかった。だが、この仕事も、彼につきまとう幻滅感や倦怠感を拭い去ってはくれなかった。

 「ホーンをプレイすれば、いつだって救われる」とコルトレーンは言う。「落ち込んでいるときは、ロック・バンドに入って吹いても元気になれるものだ。だが、私は違った」

 より生産的な一歩は、一九五三年に踏み出された。ジョニー・ホッジス率いるグループに加入したのだ。

 コルトレーンは当時を回想する。「ホッジスの楽団で、我々は誠実な演奏に心がけた。それは先輩ミュージシャンに対しての礼儀であり、私はそういう教育を受けてきた」

ダウンビート誌、一九五八年十月十六日号、16-17ページより(資料04)



【ついでにフォト】

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2005年 香港 


(2023年4月15日掲載)