19560302-06

Eastbound (Kenny Drew)   (4分21秒)



【この曲、この演奏】

 「ケニー・ドリューがこのセッションのために提供した速いテンポのバビッシュなナンバー」(資料09)とのこの曲、コルトレーンの演奏記録は本セッションだけ(資料07)です。

 さて演奏ですが、ピアノがフューチャーされてのテーマから始まり、コルトレーンのソロと入っていきますが、これはコルトレーンとドリューの掛け合いといった趣です。そのドリューが次にソロを取り、フィリー・ジョーのソロとなり、後テーマとなります。この後テーマの途中でいきなりフェイドアウトしていますので、録音に何らかのトラブルがあったのでしょう。

 このセッションの主であるチェンバースはソロは無いのですが、全体に渡って力強く的確なバッキングを披露しています。

 この演奏の後に「That's What I've Been」が演奏されたと、資料07にあります。そしてこの曲の演奏は、今に至るまで未発表のままです。この曲のコルトレーンの演奏記録は本セッションだけ(資料07)なので、何としても聴きたいところです。



【エピソード、ケニー・ドリューとの共演】

 コルトレーンとドリューの共演といえば、なんといっても1957年9月15日に行われた、「ブルー・トレイン」セッションであろう。この共演があるだけに、この二人の共演はそれなりにあるのかと思うのが、スタジオ録音なりライブなり、二人の共演はこのセッションと「ブルー・トレイン」の二回だけである。ドリューはアトランティックとインパルス!のセッションへの参加は無い。プレスティッジについては、(1950年代には)5回ある。(資料08)この5回のものがスティットやロリンズの有名作品への参加だけに、ドリューとプレスティッジに関わりが深いと思ってしまうが、5回だけである。そのあたりの事情から、コルトレーンとドリューの共演は少なかったのであろう。

 さて二人に共演は2回と書いたが、スタジオ録音でもライブでもななく、深夜のジャム・セッションならば、資料07に確認できた記録が一度ある。1962年11月17日のもので、コルトレーンは黄金カルテットでパリのオリンピアでライブを行った後に、ブルー・ノート・イン・パリに行き、そこで行われていたジャム・セッションに参加したとのことだ。ケニー・ドリューはこの1962年に目立った活動は記録されていない。(資料08)新・世界ジャズ人名辞典によれば、この時期にはパリに滞在しており、ブルー・ノート・イン・パリのハウス・ピアニストであったこともあるようだ。そんなことからドリューもこのジャム・セッションに参加したのであろう。



【ついでにフォト】

tp07017-006

2007年 アムステルダム、オランダ


(2021年12月14日掲載)