19551026-07

Ah-Leu-Cha (take 1)(Charlie Parker)
(5分47秒)



【この曲、この演奏】

 チャーリー・パーカー作のこのビバップ曲のコルトレーンの演奏記録は、全てマイルス・バンドでのものです。スタジオでは本セッションだけであり、主にライブでエンスされており、記録に残っているには二つあります。1957年2月16日のセントルイスでのライブは、ブートレグで音源が聴けるようです。1958年7月3日のニューポート・ジャズ・フェスティヴァルでの演奏は、コロンビアから正式発売されています。

 このセッションでは5回演奏され、内2回はフォルス・スタートやブレイク・ダウンです。そしてアルバム「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」に収録されたのは、4回目と5回目の演奏を編集したものでした。(以上は全て資料07から)

 さてここでは最初のテイクを聴いてみます。トランペットとテナー・サックス、そしてドラムスが印象的な冒頭のテーマですが、マイルスの他の演奏からするとゆったりしたテンポになっています。マイルスのソロは、まだまだこのバンドを確認しながらにようです。続くコルトレーンのソロは、しっかりと頑張っている演奏となっています。ガーランドのソロがあり、あとテーマの演奏となり、演奏は終わっていきます。

 このテイクは2000年に世に出ました。



【エピソード、コロンビア・レコードのジョージ・アヴァギャン その1】

 コロンビア・レコードのジョージ・アヴァギャンは、マイルスと契約したがっていた。

 アヴァギャンは、ジャズとポップスの担当プロデューサーだった。彼は一九五四年のニューポート・ジャズ・フェスティヴァルでデイヴィスを聴いたことがあった。そのときのマイルスはモンクの絶妙なバラード「ラウンド・ミッドナイト」を演奏したが、批評家のほとんどがその演奏を絶賛し、彼の「立ち直り」が大きな話題となった。マイルスの演奏に強く印象づけられたアヴァギャンは、四千ドルに前金をマイルスに払って契約するようにコロンビア・レコードを説得した。マイルスはレコーディングこそ、かなりしていたが、そのほかには「バードランド」で月曜の夜、ときどき仕事をしていただけだったので、この話はまったく渡りに舟だった。

 デイヴィスとともにコルトレーンも参加したのはいうまでもない。

(資料01より)



【ついでにフォト】

tp08037-116

2008年 みなとみらい、横浜


(2021年11月19日掲載)