1960年8月7日(日)の新聞から

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日経「約900億円に達す、市銀の含み貸出し急増、神武景気に近く」
 この紙面の解説によると、含み貸出しとは、市中銀行が日銀が査定した貸出総量を超えて貸し出していることです。その際には計数操作を行っているとのことです。この解説を読んで不思議に思った点が、二つあります。まず計数操作とは犯罪ではないのか。二つめは、このような貸出総量に関する日銀の査定がいつまで続いたのかです。残念ながらネットからは答えが見つかりませんでした。

この記事に際には、1958年から1961年の岩戸景気のピークでありました。1954年から1957年の神武景気を上回って、岩戸景気は翌年末に終わりを迎えました。

読売「核実験禁止と軍縮、列国議会同盟会議、9月29日から開く、日本案中心に初の決議、本会議 日曜除き八日間」

 この紙面によると列国議会同盟とは、世界の議会制度の発展、国際平和及び国際協力の推進などが目的として設立されました。1909年にパリで第一回会議が行われ、この記事の会議は四十九回目で東京で開催されました。

私は初めて知ったものでしたので、とっくにその使命は終えたのかと思いましたが、調べて見ましたら今でも続いている会議でした。

朝日「池田内閣をどうみるか、本社全国世論調査、支持するが51%、解散総選挙60%が望む」
 この時は第1次池田内閣の中盤であり、第3次改造までいった池田内閣の初期の頃です。


この日の朝日新聞から

気になった記事
 1面に「米国資産を全部撤収、カストロ・キューバ首相、国有化令を発表」とあります。キューバ電力・キューバ電話など、キューバ全土のインフラとなっている会社が対象です。

前年1月のキューバ革命で誕生したカストロ首相は、すぐにソ連を急接近しました。第3次世界大戦かと思われたキューバ危機は、これから2年余り後のことです。


目にとまった広告
 9面に「ミヨシマーガリン」と商品名中心の広告があり、箱絵と共に「ミルク入栄養満点」としています。1921年設立のミヨシ油脂という会社で、今でもマーガリンを製造しています。同社のページを見ますと、その商品包装から業務用マーガリンが主力かと思います。他にも石鹸なども製造している会社です。


TV欄を見ると
 日テレ8:45に「アコーディオン」という15分番組があり、出演は岡田博さんです。まず、この番組についてネットから情報を得られませんでした。岡田博さんについては断片的な情報ですが、どうやら日本のアコーディオン界の重鎮だったようです。「アコーディオン研究」という全日本アコーディオン連盟が発行する雑誌において、「アコーディオニスト名鑑」で岡田氏が取り上げられています。また現在の著名アコーディオン奏者のプロフィールに「故.岡田博氏に師事」とあったりします。