2009年6月23日掲載
Duke Pearson        Profile
Blue Note原盤         1959年10月録音

 ドナルド・バードの「フュエゴ」でのピアソンの演奏を気に入ったライオンは、その25日後にピアソンにリーダー作品吹き込みのチャンスを与えたのです。ジーン・テイラー(b)とレックス・ハンフリーズ(d)とのトリオでの演奏です。さらにこれより2ヶ月後に2作目「Tender Feelin's」の吹き込みを行っていますので、本当にライオンはピアソンを気に入っていたのでしょう。

20090623

 ピアソンっていう人は、決して人と衝突するような人では無かったのでしょう。細かな神経の持主というか、何かにぶつかれば砕けかねない方だったのではないのでしょうか。ブルージーな演奏の中に、そんなことを感じます。『Like Someone In Love』での明るく爽やかな雰囲気、また逆に『Black Coffee』のような気だるい雰囲気の曲でも、独特のブルースを感じ、繊細な神経の持主だと思います。普通こんな方は麻薬に埋没していくと思うのですが、彼の経歴には服役だとか病院送りだとかは無し。恐らくは人に好かれる性格ゆえ、周りからの支えがあったのでしょう。この作品でも、テイラーとハンフリーズがしっかりと彼を支えています。

 この作品と2か月後の2作目、それと1961年1月にジャズラインに残した「Hush!」が彼の代表作。気持ちと演奏がバッチリ合っていたのは、この2年間と言えるのでしょう。