2006年7月22日掲載
Wolfgang Dauner     The Oimels
MPS原盤                1969年7月録音

 ジャズの雑誌やら、国内盤に入っている日本語解説やらで、「クラブ・シーンで注目」云々の記述を目にするようになって、どのくらいが経過したでしょうか。初めから、そして今でもクラブ・シーン自体には興味がないのです。しかし彼等の嗜好によって、再発される作品があり、そしてその中にはジャズ・ファンにとっても興味深いものもあります。今日取上げる作品も、そんな1枚。

 ヴォルフガング・ダウナーなどという入力し難い名前を取上げたのは2年前のことで、「Music Soundz」でした。それはピアニストであるダウナーが、以前から一緒に演奏している二人を加えた、トリオ作品でした。そして今日取上げるのは、同じベースとドラムに加えて、2本のギターが入ったクィンテットでの録音です。

 収録されている『take off your clothes to feel the setting sun』がクラブ・シーンで注目されて、今回の再発に至ったようです。

20060722

 「ドイツの鬼才ピアニストが時代の嵐を一身に受けて完成させた、サイケデリック・ジャズ&ソフト・ロックの決定版」と、帯に書かれています。そして、この通りの演奏。この手の作品を以前に取上げた時に、1970年前後の日本のTVドラマの挿入曲を思い出すと書きましたが、この作品でも同様の感想であります。ビートルズ(レノンとハリソン)やストーンズ(ブライアンやキース)が表現した成果を、安易になぞった演奏と、言える内容でもあります。

 しかし本盤においては、そのスタイルを借りながらも、独自の色合いも加味しております。この時代のモータウンを中心にした黒人ポップスの明るさが、加わったような色合いです。そんな意味合いを上手く取り入れているのが、『take off your clothes to feel the setting sun』と言えるでしょう。