Elmo Hope
Trio

録音日 1959年2月8日(ジャケ記載データ)
Like Someone In Love が収録されている作品をつまみ食い

つまみ食い前

 訴えかける視線が印象的なエルモさんの本作品は、2009年4月5日に「今日の1枚」で取り上げました。その際の感想は、前半で褒めて、後半ではそれを打ち消すようなことを書きました。
 前半で書いた「人間の本音が見えてくる身が震えるような演奏」であることを期待して、「Like Someone In Love」を中心に聴いてみます。

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つまみ食い後

 エルモさんの存在感が、緊張感あふれる中で、重く暖かく響き渡っている1枚です。
 エルモさんの代表作と言えば、1957年に西海岸に移る前にNYで吹き込んだ数作品というのが、一般的な評価でしょう。エルモさんが何故1957年に西海岸に移ったかは分かりませんが、数年後にNYに戻ったエルモんさはインタビューで西海岸でのことを、「何も学ぶことの出来ない土地だった」と述べているそうです。それは事実なのでしょうけれど、その中にあって、このような素晴らしい作品を彼は作ったのです。言い換えれば、そのような環境だからこそ、このような想像力あふれる作品を作れたのでしょう。エルモさんの代表作といってもいい作品ですし、ピアノ・トリオの推薦盤とも言える作品です。
 何かに夢中になれる自分を追い求めているかのような「Like Someone In Love」でのエルモさん、ジャケットの彼の視線が理解できる演奏です。

(掲示板掲載 2017年10月21日から3日間)