Nina Simone
At Town Hall

録音日 1959年9月12日(ジャケ記載データ)
Summertime が収録されている作品をつまみ食い

つまみ食い前

 香港駐在時代には、日本からCDを取り寄せていました。昔から懇意にしているジャズ店にお金を預けておき、香港からFAXで注文し、EMSで送って頂いておりました。

 2004年春にはニーナ・シモンの作品が紙ジャケCDで多数発売されました。全てとは言えませんが、コンボでの作品を数多く注文し、香港で聴いておりました。

 そんな経緯でジャズを聴き始めから大分時を経て、彼女のファンになったのです。そんな彼女の作品群の中で、「Summertime」が入っているのは、本盤だけでした。「Summertime」は、彼女にうってつけの曲だと思ってます。

 彼女の名前を世に知らしめたタウン・ホールでの、ライブ作品です。「今日の1枚」では、2004年8月1日に取上げました。その中で「Summertime」を白眉としてました。今回改めて、この曲を中心に聴いてみます。

pst23

つまみ食い後

 気品の高さを感じます。名門タウンホール、1500名の観衆は白人中心。それまでクラブでしか演奏してこなかったシモンが、黒人女性が音楽の道に進むことで幾多の差別を受けてきたシモンが、透き通ったような気品の高さで歌い弾いております。これがベースにあることで、彼女のブルースやゴスペル感覚が活きているのでしょう。

 「Summertime」、前半の3分はピアノ・トリオ演奏ですが、抑え気味でのピアノが、夏の嫌な思い出を静かに語っているようです。後半では崩しながら歌う彼女ですが、自分自身を寝付かせるように祈っているようであります。

 ニーナ・シモンの出世作であり代表作である本盤、どの曲も聴きどころがあるものになっております。

(掲示板掲載 2016年11月18日から3日間)